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   川の流れのように、ゆったり、のんびり、ほっとするような内容を綴っていこう。

2013年04月23日

永遠のバックパッカー、加藤則芳さんに捧ぐ

また残念な訃報が入った。
作家でバックパッカーの加藤則芳さんが63歳という若さで旅立たれた。
2010年6月、筋萎縮性側索硬化症(ALS)という難病に侵され、歩くことができなくなっても車椅子で、ずっと勢力的にロングトレイルの普及に務め、国立公園のあり方等について貴重なメッセージを残してくれた。
作家としての加藤さんも好きで、優しい文体と豊かな表現力で、風を感じ、汗を感じ、人間の温もりを本の世界に広げ、私たちを楽しませてくれた。

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近年のノンフィクション大作「メインの森をめざして」はとても素晴らしく、自分もアパラチアン・トレイル3500kmを歩いた気分にさせてもらった。
約半年にも及ぶ大自然を歩く旅が終りに近づくと、
「まだ終わらないでくれ」
と切に願うようになる。
それほどまでに、この壮大なログトレイルは自然の中で出会う様々な人と人との交流が魅力満載なのだ。
(ダイジェスト版はこちらで)

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アパラチアン・トレイルは無理かもしれないが、いつの日か私も、ジョン・ミューア・トレイルを歩いてみたいと思う。
加藤さんの意志をバックパックに背負って・・・。

感謝の意を込めて。
心よりご冥福をお祈りします。
ゆっくりと安らかにお眠り下さ・・。

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いや、

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これからもバックパッカーとして歩き続けて下さい!!


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2010年12月03日

地球の上に生きる

最近読んだ本たち。
基本的には水にまつわる話の本だ。

川は生まれ変わるか(著:佐藤俊明)
森を創る 森を語る(著:稲本正)
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森(山)が水を生み、森(木)が酸素を生み、そして森が人間を育てる、という循環をとてもわかりやすく対談(CWニコル、筑紫哲也等)形式で解説している。

そして今日、ある写真展を私の弱電波が偶然キャッチしたので仕事の後、ちょっとアクロス福岡まで行って来た。

地球の上に生きる
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上の写真は、ケニアの干ばつで干からびたように死んだキリン。
動物の写真だけかと思いきや、世界各国で起こっている資源獲得競争による環境破壊や紛争、貧困、気候変動による自然変化など、世界各国のジャーナリストから寄せられた報道写真が数百点と多岐に渡る。
内容は非常にヘビーで濃く、中には目を覆う写真も・・・。(写真の一部をココで見れます)
もちろん笑顔の写真などひとつもない。

これら写真の中で一番恐ろしいと感じたのは、紛争などではなく、水が無くて水を求める動物や人々の写真だった。

現在、日本人は一日に一人当たり356Lもの水を使っているそうだ。(飲料、トイレ全て含め)
いやぁ、日本人はとことん幸せボケなのだ。

たまにはこいうグローバルな視野が必要なのだなぁ、と反省しつつ、カウンターパンチをくらったようにフラフラしながら家路にき、そのままフラフラと今書いている。(グビッ)

やはり万年ボケだ・・・。


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2010年09月15日

猫を抱いて象と泳ぐ

週末は、左足の肉離れが未だ完治しなかったので、山は諦め海へ。

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海はまだまだ夏真っ盛りで暑かったのでTシャツを脱ぎ、
今回はカモメを見ながら、

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静かに書を読む。

「猫を抱いて象と泳ぐ」 小川洋子 著

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盤下(チェス)の詩人、リトル・アリョーヒンの物語。
木製の王様を倒すゲーム。
8×8の升目の海。
チェスをとおして象が水浴びをする海に、潜っていく冒険・・・

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ストーリーも文体(表現)も美しく、読みながら頭の中に映像が次々に飛び込んでくる。
こんな風に想像力をかき立てられる本は実に面白い。
頭の中で自分が監督になり、脚本(この本)をもとに映画を作っているような仮想体験が出来るのだ。

しかしココで読むと、自分も海で水浴びをしたくなり、集中力が途切れて困った・・・。

カット、カット!


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2010年07月06日

童謡

梅雨空の下、読んだ本の中で特に心に残った本。

「童謡」 立松和平 著

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"旅人"立松さん自身の写真と文で語る日本のふるさと紀行。
残念ながら今年2月"旅人"立松さんは本当に逝(旅立)ってしまった。

童謡といえば私も娘の影響でこの歳になって再度、さまざまな童謡を聞いたり歌ったりしているが、立松さんの童謡に纏わる紀行文はやはり立松さんだなぁ、と思えるようなとても素朴な語り口が魅力だ。
文だけでなく写真も実に素朴で飾り気がなく、これが紀行文と実によくハモっている。

本中に尾瀬の紀行文があり、10数年前に訪れた尾瀬で、偶然にも単独行の立松さんと湿原の木道ですれ違い「コンニチワ」と挨拶を交わした記憶が蘇った。

もうひとつ、心に残った紀行文を。

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-------------------------------------------< 以下引用 >-------------------------------------------
私は屋久島の浜で焚火をし、友と語り合うべく炎を見ながらの待っていた。
その友とは、屋久島に住んでいる詩人の山川三省さんだ。

一日暮らし    山川三省

海に行って
海の久遠を眺め
お弁当を食べる

少しの貝と少しのノリを採り
薪にする流木を拾い集めて一日を暮らす

山に行って
山の静けさにひたり
お弁当を食べる

ツワブキの新芽と少しのヨモギ
薪にする枯木を拾い集めて一日を暮らす

一生を暮らす のではない
ただ一日一日
一日一日と暮らしてゆくのだ

--------------------------------------------------------------------------------------------------

この詩を読んで一瞬深い内容だなぁと思ったが、実は極めて単純なのだ。
物や情報が溢れ、ちょっと油断すると感覚が麻痺しつつあった自分に、この詩が警告を与えてくれた。

んー、やはり何でも
「シンプル・イズ・ベスト」
がイイのだ。


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2010年03月23日

シューシャインボーイ

今日はちょっと裏山へ諸用(?)へ・・・

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山頂は、
新聞を読む人。
岩に登る犬。
など等、好天気だし昼時だったので大賑わいだった。
ココは満員御礼でちょっと落ち着かなかったので別の山頂ポイントへ移動。

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貸切だ。(ゼ)
さて、早速諸用を開始・・・。

まずはB-6君で焚き火。

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そして・・・。

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読書。
今回の本は「月島慕情」。
浅田次郎の短編集だ。
7編の短編が収められているのだが、中でも良かったのが「シューシャインボーイ」。
単純に和訳すると「靴磨きの少年」なのだが、短編ながら内容は深く、切なく、泣ける。
いわゆる浅田ワールドなのだが、わかっていてもイイものはイイのだ。
実はこの「シューシャインボーイ」がテレビドラマ化されるのだ。
明日(3月24日)21〜23時。(詳しくはココで)
しかも、テレビ東京開局45周年記念ドラマスペシャルという気合のいれようだ。
また役者が良くて、西田敏行をはじめ、柳葉敏郎、大滝秀治、そして安田成美だ。(ゼ)
もう見るしかないだろう。

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イイ本を読んだ後は、やはりイイ酒を。
という事で「三岳」を湯割りで・・・。(フフ)

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焚き火に、おもしろい本に、旨い酒。
そしてこの解放感あるロケーション。

いやぁ、やっぱココは最高の書斎だなぁ。
そして最高のBARだなぁ・・・。

「ねぇ、マスター(B-6君)」


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2009年02月06日

神々の山嶺

約11年前に出版された本だが、心が震えるような興奮を覚えた本だった。

夢枕獏「神々の山嶺(いただき) 」
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我らがバクさんの山岳フィクション大作。
上下巻合わせて962ページという、かなりのボリュームなので、なかなか読むタイミングを見出せなかったのだが、新年を迎え新たな気持ちで読んでみたらこれがとてつもなく面白く、一気に読破してしまった。
登場人物、物語の展開、風景描画、臨場感、情景描写の迫力、人物描写の深さ、言葉の深さ等など、全てに於いて深く、重く、そして濃い。
一言では表現できないくらいにとても素晴らしい内容で、物語の中にグイグイと引き込まれていった。
小説家が本気を出せば、こんなに凄いのが書けるという証だ。

大筋のストーリは、1924年エベレスト登頂を目指し帰らぬ人となったマロリーのカメラを巡って、カメラマン深町誠が自身の目線で、羽生丈二という孤高な天才クライマーを追い続けていく・・・。
最後に羽生はエベレストの頂上を踏んだのか?

特に後半は、ハラハラ、ドキドキ、渾身の力、汗、溜息、どうした?、なにー?、ウォー!、美しい、涙、と自分の感情が目まぐるしく変わっていくのがはっきりと体感できるハズだ。
そして悲しくも美しいラストには必ずや心打たれて涙するハズだ。
絶対にストーリーを知って読んではならない。

最後に断言するが、
「この物語はゼッタイにおもしろい」


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2008年06月27日

鮎師

連日の雨空で、山にも海にも行けないこの時期は、読めずに溜まっていた本を読むのにもって来いの消化期間である。
今は、この本を読んでいる。

鮎師 (著者)夢枕 獏
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我らが獏さんによる釣りをテーマにした小説。
内容は極めてシンプル。
50cmを超えるという幻の巨鮎を求めて、さまざまな人間模様と釣り人の気持ちの葛藤が往来する。
鮎釣りを知らなくても釣りの奥深さ、面白さがひしひしと伝わってくる内容だ。
何よりも私がこの物語に惹かれたのは舞台が小田原だということ。
小田原は、神奈川県西部に位置し、今では箱根駅伝の中継ポイントとして有名だ。
その小田原に実際に住んでいる獏さん。
そして私も30代の頃、5年程住んだ事がある。(実はカミさんの実家が小田原)
なんとこの小説の鮎釣りの舞台となる川は早川(はやかわ)という川で、私が海釣りにハマっていた時にこの早川の河口で、狙っていた鱸(スズキ)を初めて釣りあげたという忘れられない川でもあるのだ。
私は鮎釣りはやった事はないが、川釣りは好んでしていたので物語の情景、水や草の感触、風や魚の匂いはある程度頭の中でイメージすることは出来る。
それにしても獏さんの描写表現はニクい程にウマいなぁ。
まぁウマいのは本業だから当たり前だが、横目で見ているような客観的な獏さん的表現が私は大好きである。
毛鉤(けばり)や飲み屋のネーミングのセンスも抜群にイイ。
特に”酔処”と書いて「よっとこ」と呼ぶ飲み屋が、釣り人同士の語らいの場として何度も登場するのだが、店の雰囲気がイイ感じなのだ。(イメージの世界だが)
実在の名前とは違うと思うが、きっと早川の近くにそんな鮎釣り師が集うような獏さん行きつけの飲み屋があるのでは?。
今夏は小田原に行く予定なのでその際に、ちょっと面白半分で探してみようかと思っている。
その時期は鮎釣り真っ盛りなので、その飲み屋ののれんをくぐると獏さんがカウンターで鮎を肴にビールを飲んでいるかもしれないな。
鮎がどっさり入った魚籠(びく)を片手に「ハッハッハッ」と笑いながら。


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2008年03月13日

両手いっぱいの言葉

難しい事や、ややこしい事を忘れ去りたい時に読む本。

両手いっぱいの言葉 (著者)寺山修司

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「愛」から「夢」まで計52のカテゴリ別に分けられた寺山修司の言葉集。
この本はカテゴリ別に理路整然と分けられているので、その時の気分で読みたいものをさらっと選んで読めるのがいい。
今日、久しぶりに読んで、んーなるほどと唸らされた言葉は。

------------------------------------------
■人間がほんとうに自由になれるのは、自らの記憶から解放されたときではないだろうか。

■歴史を信じない物は歴史に復讐される。
ところが歴史だけしか信じない者は孤独になる。

■不自由を知るものでないと、自由は語れません。
------------------------------------------

この本は読めば読むほどに酔う。
酔い方はスカッとする酔いだ。(頭の中のモヤモヤが一掃される)
当の著者自身もこう言っている。
「詩人は、ことばで人を酔わせる酒みたいなもんです」

なるほど、これは健康的な酒だ。


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2008年02月08日

ユーコンの疾走

1925年1月、北極圏に近いアラスカ北西部の港町ノームに、疫病のジフテリアが発生し、幼い子供たちがバタバタと倒れていった。
不運なことに、町にはその蔓延を防ぐ血清が決定的に不足していた。
だが、ノームに血清を運ぶにも海は氷で閉ざされていて船でのアクセスは不可能。
航空機もまだ未発達で極寒、悪天候での飛行は未知の為危険と断念した。
そこで、1000kmを越える陸路、ネナナ〜ノーム間をユーコン川に沿って犬橇のリレーで血清を運ぶ事になった。

ユーコンの疾走
〜 極北の町を救え!犬と人の感動実話
(著者:ゲイ・ソールズベリー/レニー・ソールズベリー)
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氷点下摂氏40度を下回り、ブリザードが吹き荒れる悪天候の中を疾走する犬橇。
壮絶な命のリレーは20の犬橇チームで6日間にも及んだ。

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最終ランナーのカッソンとリーダー犬バルトは、その後英雄となり、NYセントラルパーク内にはバルトのブロンズ像まで建造された。
写真はその時(1925年12月)の除幕式に参加したカッソンとバルト。

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下の写真は現在のバルト像。
子供達はバルトを愛し、彼らが像の頭を撫で、背中に乗るおかげで、ブロンズの表面はピカピカに磨かれて、元の大きさより5ミリほど小さくなったという。(確かに少しスリムになっているようだ)
このバルトを題材にした映画(アニメ)をあのスピルバーグが製作総指揮したというので早速購入(今なら980円)して子供の目線で見てみたら中々おもしろかった。(詳細はココ
このアニメは子供向けに実話をアレンジしている為ストーリーは本作と少し異なる。(もちろん本作の方がおもしろい)
特典のドキュメンタリーでは当時の貴重な映像も映し出されておりそれを見るだけでも非常に価値がある。

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下の写真は、リレー中最長の走行距離を走った(261マイル)もう一人の英雄、セッパラとそのリーダー犬トーゴ。
バルトの人気に少し影を潜めた感もあったようだが、私的にはこのセッパラとトーゴの方が惹かれるモノがある。

(1929年、病身のトーゴに別れを告げるセッパラ)
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いやぁ、素晴らしいノンフィクションだった。(エンデュアランス号漂流に次ぐ)
この本は、メインの血清リレーの話以外にアラスカや犬橇の歴史や背景にまで話が及んでおり、非常に内容の濃い作品である。
おもしろい本なので、くれぐれも時間がある時にイッキに読む(全405頁)事をお勧めする。
特に現代社会に疲れた時に読めば勇気と元気がでること間違いなし。

2週間前にこの本を買った私は、実はもう2回も読んだ・・・。


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2007年10月19日

焚き火の焚きつけ

憎たらしいクマに食糧をぜんぶ食われても、
道に迷って3日間ヤブを漕ぎ続けても、
崇高なアルピニストから卑しいイワナ釣り師に落ちぶれても、
とにかく山は楽しいのだ!
斬新で型破りな異色クライマー・黒田薫の山岳紀行。

焚き火の焚きつけ (著者)黒田 薫

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最初の方は、まじめな内容なのだが、途中からいきなり急勾配の山を登っている時の緊張感の糸がブチッと切れてしまったかのように、奇才黒田氏の毒舌の嵐が吹きまくりこれが延々と最後まで続く。
特に224頁の雲古の話は最高(爆笑)。
これぞ黒田節!
普通じゃない内容が面白く書かれているので結構体力(特に集中力)を消耗する。
最後まで読み終えた感じは山の頂上に辿り着いた時の安堵感に似ている。(やっと終わった・・)
これが本当の登山本かもしれない、と妙に感心したりした自分も少し頭の回路が侵されたのかもしれない。

この本を読んで不思議に思ったのは、本のタイトルでもある焚き火の話がほとんど出てこないこと。
しかし、巻末を読んで納得した。

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本書のタイトルは、せっかく買ってもらったのにもしつまらなかった場合、せめて”焚き火の炊きつけ”くらいには役立つものにしたい、という著者の言葉によるものです。
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今日もどこかの山でこの本が焚き火の炊きつけとして一緒に燃され、黒田さんの魂が炎となり、山を真っ赤っ赤に焦がしていることだろう・・・。
(ブラボー)


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2007年06月21日

ずんが島漂流記

そこに海があれば少年たちは旅にでる。

「ずんが島漂流記」著者:椎名誠

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ぼくのおじいさん(椎名総之助)が若い頃暮らしていた南の島(インドネシアの近くのフンデロッテ島)での話。
島の老人タルデワカシから、木を食べる部族や、歩く魚や鳥人間の話を聞かされた。
興味が湧いた彼はどうしてもこの目で見たくなり、仲間であるカポとネギー、そして美しくも気の強い女性ターラの 4 人で、一隻のカヌーに水と食料を積み、オトナに内緒で冒険の旅へと漕ぎ出した。
そして荒れ狂う嵐の海、無人島へ漂着してしまう・・・。
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人間のものまねをする巨鳥「ぽうぽう」や、「ひかるくねくね」や、人力アクアラングみたいな装置や、空飛ぶ「鳥人間」など、不思議な脇役たちが次々と登場しワクワク感が尽きない。
冒険ものなのにドキドキ感はほとんどなく、椎名さんのアドベンチャー&ファンタジー&子供心が特大盛に詰まった作品である
難しく考えずに子供の視点で純粋に読むと非常におもしろい。

童心をコチョコチョとくすぐられる。
そんな本です。


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2007年04月06日

パタゴニア

南米大陸の最南端、風と氷に閉ざされた大秘境パタゴニア。
チリ海軍のオンボロ軍艦でマゼラン海峡からビーグル水道へ。
そして吠える海、ドレーク海峡への厳しい船旅の記録。

「パタゴニア あるいは風とタンポポの物語」 著者:椎名誠

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しかし、この本は旅の本以上に夫婦の物語であった。

椎名さんがパタゴニアに旅立つ直前、奥さん(当時保母さん)がサナギのように殻にとじこもってしまった。
それは精神的な病だったがそんな状況下で奥さんを残して旅立った椎名さんは旅の随所で妻を心配し、夫婦のモチーフを記している。
それは精神的な苦痛の直接的原因が、自分にあったからだ。
売れっ子作家の宿命なのか、夜中でも構わず鳴り響く電話、まるで妻の責任かの如き口調での原稿の催促、連絡の手違い等など、全て一手に奥さんが担っていたのだ。

今回旅立った椎名さんのトランクの中には野の花が2本入っていた。(奥さんが入れたもの)
旅の途中、マゼラン海峡からの烈風で折れそうになりながらも群れ咲く タンポポ に妻の姿を重ねた。

そんな状況下で旅は続く・・・・

そして現在、奥さんは苦境をバネに、なんと夫と同じ業種へ転身、作家「渡辺一枝」として活躍している。
自分を苦しめた世界(業界)へ、果敢に飛び込んでいき新しい生き方を活きている。
凄い、すばらしい、強い、ん〜。

肝心の旅の内容に触れなかったがもちろんおもしろいです。
どこに行ってもまずは酒を飲んでしまう椎名さんがまたいい。


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2007年03月16日

大西洋漂流76日間

1982年2月4日の夜、鯨の衝突と思われる事故によって大西洋東部で自ら設計したヨット(ナポレオン・ソロ号)が沈没し、単独航海中だった著者がライフラフト(救命イカダ)で漂流。
そのままライフラフトで大西洋を横断しカリブ海沖で救出されるまでの76日間に及ぶ壮絶な漂流を記したノンフィクション。

「大西洋漂流76日間」著者:スティーヴン・キャラハン

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裂ける波に翻弄され、熱帯の太陽に焼かれ、ライフラフトを攻撃するシイラやサメにもて遊ばれる。
ようやく見つけた船に閃光弾を6発も打ち上げるが、船は傍らを通り過ぎてしまい絶望感を味わう。
体がずっと海水に浸って腫れ物と傷が絶えず、体重は20キロ減った。

通常、海難者の90%は遭難からわずか3日以内で死んでしまうという。
76日もの漂流で生き続けたキャラハンの強靭な精神は尋常ではない。

そんな過酷な漂流中に起きた、おとぎ話のようなシイラとの親密な関係は、非常に神秘的に思えた。
ある時は食料が無くなったキャラハンに食用として自らの命を捧げているようにもみえ、
ある時は孤独感に苛まれたキャラハンの気を紛らわす為に常にライフラフトに寄り添う様に並走し、
そして最後、陸に近づくと自らの存在を誇示し海鳥を寄せ集め、その海鳥を見た漁師が魚の存在をキャッチし向かった漁師の船によってキャハランの漂流は完結する。

最後は出来すぎで映画のような締めくくり方だが、キャラハンにとってはおそらくその時点でもう限界だったと思う。
きっと最後は海の神が手を差し伸べてくれたのだろう。
極限の状態を耐え抜いた者にのみ与えられる何ものかの力が・・・。

そういえば、エンデュアランス号漂流の冒頭にもこんな一説があった。

人間に不可能なことを成し遂げさせる何ものかに感謝を捧げて

この本もエンデュアランス号漂流と肩を並べる位、凄い内容です。
何せ単独での漂流ですから。
それとサヴァイバルという観点から読んでも大変勉強になると思います。
しかし最近やけに漂流ものを好んで読んでいるような気がするなぁ。
さてと、次なる漂流ものを探そうか。
(お勧めがあったら教えて!)


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2007年03月07日

ジャングルで乾杯!

整形外科の医者である著者(女性)には、同棲中の婚約者(同業者)がいたが、結納直前30才にして全ての生活を捨てて単身アマゾンへと旅立った。

彼女をアマゾンへと掻き立てた要因は何だったのだろうか?
その理由が知りたくなってこの本を読んだ。

「ジャングルで乾杯!」著者:林美恵子

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彼女の目指す理想はシンプルな生活。
これに尽きるのではないだろうか。

日本での彼女は仕事に忙殺される毎日に疲れきっていた。
そして一緒に暮らす恋人も、いつしか単なる同居人としか感じなくなっていた。
お互い忙しいから、食事は別々。
各々が好きなものを買ってきて食べ、各々が好きな時間に眠る。
果たして自分はこんな暮らしを望んでいたのか?
彼女の言葉をそのまま言えば「こんな愛のない生活はいやだ!」だった。

現実、この様な考え方で別れる人は多いかもしれないが、彼女の場合は別れのスケールが違っていた。
単に恋人と別れるだけに留まらず、日本の生活とも別れを告げたのである。

つい先日、私が知っている女性が会社を辞めてカナダへ1年間ワーキングホリデーへ旅立つと聞いた。
人は社会に出ると殻を破って外に出るべきか判断を迫られる時が必ずくる。
その殻を破って外へ出るか、そのまま殻に閉じこもるかは、人それぞれその時の状況によって変わるだろう。
年齢に関係なくと言いたいが、特に若いうちは失敗してもいいからどんどん殻を破って外へ飛び出すべきだ。

学んだ事を実践するよりは、経験しながらそれを活かす方が生活は楽しいに決まっている。
彼女は後者を選択しアマゾンで経験を積み重ねた。
そして沢山の経験が溜まり、今度は楽しい生活が訪れるだろう。
そういう満足感を得る為の経験が出来る環境が彼女にとっては日本にはなく、アマゾンにあった。
それが彼女の答えなのではないかと思う。

そんな彼女のシンプルな考え方とパワフルな行動力に非常に魅力を感じた。

当たり前の事だが学ぶだけでは楽しみは味わえない。
経験する事で始めて喜びも悲しみも楽しみも味わうことが出来る。

そういう単純な事をこの本から改めて学んだ。

(最初は適当に読んでいたが実は中身の濃いエッセイ本だった)


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2007年02月24日

星野道夫病

先週、星野道夫の「旅をする木」を読み終えてからある病気にかかってしまったようだ。
星野道夫病である。

この病は一種の中毒だが、体の中毒ではなく、気持ちの中毒で恋をした時の病状に似ている。
但し、中毒には変わりないようで今週は立て続けに以下の本を2冊
・イニュニック(生命)
・アラスカ風のような物語
とビデオ(NHK特集番組)
・アラスカ 星のような物語〜写真家 星野道夫 はるかなる大地

を読見してしまった。

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いやぁ、素晴らしい内容だった。
氏が自然体でアラスカの原野に溶け込んでいたことが良くわかった。
だからこそこんなに純粋で的確な表現が文章や写真を通してできたのだろう。
挿入されている動物の写真はどれも、それぞれの生き物の存在感、力強さ、個性が捉えられており見る者をハッ、とさせる。

この本での印象的な言葉。
-----------------------------------------------------------------
人間は二つの大切な自然がある。
日々の暮らしの中で関わる身近な自然、そしてもうひとつなかなか行くことのでできない遠い自然である。
が、遠い自然は、心の中で想うだけでもいい。
そこにあるというだけで、何かを想像し、気持ちが豊かになってくる。
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星野道夫病。
この病は一生治りそうにない。
しかし、これほど心と気持ちが安らぐ不思議な病も他にない。


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2007年02月20日

旅をする木

故、星野道夫氏が1993〜1995年(アラスカに住んで16年目)に書き上げたエッセイ集。
アラスカに限らず、南アメリカ、ヨーロッパでの実体験、実談などが非常に優しい文体で書かれているのでわかりやすくて読みやすい。

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私は、この本の内容には関して否定する箇所はほとんど皆無だった。
もちろんこんなエッセイ本に出会ったのは初めてである。
読んでいて、ふと気がつくと自分の頭を上下に動かしてうなずいている事が多かった。
特に私は電車の中で読む事が多いので回りの客は変な人と思ったかもしれない。(気にしない、気にしない)

これまで自分の心の中に沈殿していたものが、この本を読むに従い沸々と湧き上がってくる感覚を覚えた。
それは迷いから確信に変わる過程と似ている。

この本は私にとってバイブル(聖書)となる一冊だ。

特に印象的な言葉。
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「誰だってはじめはそうやって生きてゆくんだと思う。
ただみんな、驚くほど早い年齢でその流れを捨て、岸にたどり着こうとしてしまう」

「寒い(アラスカ)ことが、人の気持ちを暖めるんだ。
離れていることが、人と人とを近づけるんだ」

「世界が明日終わりになろうとも、私は今日リンゴの木を植える」

「たとえば彼の人生が平均より短かったとしても、そんなことに何の意味があるのだろう。
大事なのは長く生きることではなく、よく生きることだ」
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そして「旅をする木」の本当の意味はこの本が教えてくれます。
本当にいい本ですよ。

※2月24日(土)15:05〜16:00 NHK総合にて「アラスカ 星のような物語〜写真家 星野道夫 はるかなる大地」放送予定。


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2007年02月01日

エンデュアランス号漂流

1959年に出版された「エンデュアランス号漂流」。
「これから述べる話は真実である。あの出来事を、そしてそれを生き抜いた男たちの姿をできる限り正確に再現したいと考え、私は手を尽くした。… 」 アルフレッド・ランシング

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1914年、ロンドンの新聞に出た求人広告。

『求む男子。
 至難の旅。
 僅かな報酬。
 極寒。
 暗黒の長い日々。
 絶えざる危険。
 生還の保証なし。
 成功の暁には名誉と賞賛を得る。
 −− アーネスト・シャクルトン

この広告を見て応募した5000人を越える応募者の中から シャクルトンが直感的に選んだ26名と密航者1名、シャクルトン隊長本人を含めて合計28名が南極大陸横断を目指して、大型帆船エンデュアランス号(endurance、忍耐)にて旅立つ。
しかし、彼らが出会った困難は この新聞広告をはるかに超えていた。
最初の試練は、エンデュアランス号が南極ウェッデル海の氷に閉ざされ、氷板の大圧迫を受けて崩壊、沈没してしまうところから始まる。

私がこの本を読むのは2度目だった。
1度読んているにも関わらず、前回以上の興奮と緊張と、一瞬の安堵感を繰り返し感じながら一機に読み、最後は感動して最終頁をたたんだ。

氷の世界に取り残され、寒さ、食料不足、疲労、凍傷に絶え、そして次々に襲いかかる絶体絶命の危機をひとつひとつ克服していく隊員達。
それを指揮するシャクルトンの見事な判断力。

南極探検では、最初に到達したアムンゼンやスコットの方が一般的には有名だが、最近はシャクルトンの指導力、統率力がビジネスの世界でも注目されるようになり、脚光を浴びてきた。

想像を絶するような苛酷な状況の中、リーダーシップを発揮し、明るく皆を励まし、1年9ヶ月をかけて全員を生還させた。

冒険もので、この本を超えるノンフィクションはないだろう。(個人的意見)
また、この本を読んで感動しない人はまずいないだろう。(翻訳者もそう言っている)
極限状態に達した時の人間の心の動きがとても興味深く表現されている。
(特に食べ物に関する話)

私は気に入った本があると映画でも見てみたいと思うが、この本に関していえば映画は全く不要だ。
何故なら、既にこの本を通して映画を見てしまったから。

最後に、この日本語翻訳本が出版された経緯で興味深い話が。
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「こういう素晴らしい本がある。」と、北極圏の生態やオーロラを写し続けていた星野道夫さんが、編集者に話したことから出版が決まった。
彼は弱気になった時、この本で勇気付けられたという。
原本(1959年)が出てから39年後の事だ。
翻訳者は、星野さんから原本を借りて訳した。
脱稿の日、編集者は星野さんに連絡をしたが、カムチャッカに旅立った日だった。
その一ヵ月後、星野さんは不慮の事故に遭い帰らぬ人となってしまう。
この訳本も原本もふたたび見ることなく・・・。
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※他にも関連する本がいくつか出版されているが、中でも「エンデュアランス号 シャクルトン南極探検の全記録 」はセットで読む(見る)ことをお勧めする。

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エンデュアランス号の隊員の一人、写真家のフランク・ハーレーが過酷な状況の中で撮影し、残った貴重な約140枚のほとんど(137枚)がこの本には含まれている。
特に氷上での生活している様子や、隊員達の表情などがリアルにとらえており写真集としてみても非常に芸術性の高い内容だ。

20070201_3.jpg画像クリックで拡大表示

この本はこれからも毎年寒い冬がきたら読むだろうな。
ユーコンにも持っていこう。

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2007年01月14日

ウーマンアローン

フランク安田ににあこがれてユーコン川を女一人(当時31才)カヌーでカナダ〜アラスカ国境を越え約1500キロ先のビーバー村に辿り着く迄の44日間の旅記、『 ウーマンアローン 』(著者:廣川まさき)。

ウーマンアローンウーマンアローン/廣川まさき


「第2回 開高健ノンフィクション賞」受賞作である。
2003年6月23日、大河ユーコン川の支流テスリン川上流でひとりカヌーを浮かべる所から旅は始まる。
カヌーを漕ぐのも、川を下り野生動物の生息する原野でキャンプをするのも初めてであった。
また銃やGPSも持たず、熊避けには一本のギターのみというアラスカの荒野では裸同然の身だった。
カヌー同様ギターも初心者だったが、毎晩熊避けで弾いているうちに「ホテルカリフォルニア」をマスターするまでになっていた。

最初はなんと無謀なと思ったが、読み終えた後はこんなパワフルな女性が日本にいた事実が嬉しくまた頼もしく思った。
この本を私は昨年春、四万十川の川原で一気に読んだが、同じカヌーで川旅をしているにしても全てにおいてスケール、緊張感の違いを感じた。(四万十川は流れも優しく環境も平和)

フランク安田も彼女もそうだが、人の少ない荒野アラスカで出会った人(人種を超え)との交流(助け合い)が人間として また、生きていくうえでいかに大事でそれこそが財産である事を身をもって体験している。

誰もいない大自然の中に一人身をおいて、じっくり哲学的な事を考えるもよし、酒を飲むもよし、何も考えないもよし。
とにかく人を恋しく思えるような立場に身をおく事もたまには必要だなと思わせられた。

んー、やっぱ来年はユーコンだな!


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2007年01月13日

アラスカ物語

フランク安田こと、安田恭輔の壮大な生涯を描いた小説、『 アラスカ物語 』(著者:新田次郎)。

アラスカ物語アラスカ物語/新田次郎

安田恭介は、明治初年に石巻の名家に生まれたが、十代半ばにして両親と死別。
アメリカ本土からアラスカに渡り、ゴールドラッシュ時代に見事にシャンダラー金鉱山を発見。
白人による鯨の乱獲で食糧不足に苦しめられていた海岸エスキモーを率いて内陸のユーコン川沿いに移住し、そこにビーバー村を設立した。
その後ビーバー村の人々のために全生涯を捧た彼は、“ジャパニーズ・モーゼ” 又は “アラスカのサンタクロース”と称された。
故郷への思いの中、日本に帰することなく、1958年(昭和33年)、フランク安田は90歳の生涯を閉じた。

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小説では、単なる“日本人の成功物語“ではなく、人生に対し、真摯に立ち向かう主人公の姿が見事に描かれている。

私はこのフランク安田という人のひたむきで真っ直ぐで誠実なところに惹かれた。
著者、新田次郎氏もフランク安田に相当ほれ込んだらしく、事跡をたどり子孫たちを取材し、アラスカや故郷の石巻の生家をも訪ねたらしい。

もうひとつ印象的なのが、フランク安田の妻ネビロ(エスキモー)の存在だ。
小説の中では彼女が金鉱を発見するきっかけを作り、その後の人生を大きく左右した。
そんな彼女の行動力とヴァイタリティもまたフランク安田にとってなくてはならない「支え」だったのではないかと思う。

この本は何年か後に、また再度読みたくなる本だろう。
読むのもいいが、ビーバー村に行ってみたくなったなぁ・・・。
ユーコン川沿いだし)


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2006年11月01日

長く素晴らしく憂鬱な一日

ここ最近は、仕事がプロジェクトの切れめで、一日が比較的ゆったりと流れている。
しかし、仕事がゆったりしているというのは逆に時間が長く感じられ精神的には苦痛を感じるものだ。

そんな今日も仕事を早々と終え、一路我が家へと地下鉄 西新18:48発下り電車に乗る。

読みかけの文庫本を取り出し、右手に吊革、左手に文庫本を持ち電車に揺られ、姪の浜駅で前の座席が空いたので座る。
この電車は我が家の最寄の駅が終点なので座ってしまえば本に集中出来るのだ。

そしてある駅に到着。
が、なかなか電車が発車しない。
ん?と思い回りを見渡すと私の乗っている車両には7,8人しか座っていない。
長ーい沈黙の後、車内放送で

「先行電車が車両故障を起こして止まっている為、発車出来ません。
今のところ復旧のめどはたっていません」

なんでこんなのにひっかかるかなぁ? 憂鬱 (ゆううつ)だなぁ。
とブツブツ思いながら一瞬降りようか迷ったが、時間もまだ早いし、本も読みかけだし、いい機会だからこのまま読むか。
という事でそのまま車内で読書継続。

その後10〜15分位たったであろうか。
「復旧したので発車します」
とのアナウンスの後、ゆっくりと発車。
そして終点に到着。

なんと!到着と同時にその本を ピタリ と読み終えたのである。
(心の中で 「素晴らしい」 と)

読み終えた本の題名は、椎名 誠

長く素晴らしく憂鬱な一日

20061101_1.jpg


だった。
なんか、これもピタリ

PS)この本、椎名文学の一つの核ともいえる異色作で、ドロドロと暗いんだが不思議と圧倒的なエネルギーを持っている。
特にビル屋上にある怪しい貯水タンク、新宿で酔っ払いホテルで半死状態の自分、随所に登場する夕子という謎の女性の存在など、イメージが頭から離れない。


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